あの青い作業着を脱ぎ捨てて。

アニメ・漫画・小説・ゲーム等のフィクション作品の感想をゆるく綴ります。

2016-02-01から1ヶ月間の記事一覧

【感想】『波よ聞いてくれ』沙村広明

沙村広明の『波よ聞いてくれ』2巻を読んだ。沙村広明は、『無限の住人』みたいなバトル物や、『ブラッドハーレーの馬車』とかの近世欧風エログロが有名だと思うが、『波よ聞いてくれ』はカレー屋のバイト・鼓田ミナレがひょんなことからラジオのパーソナリテ…

【感想】『告白』 町田康〜人はなぜ人を殺すのか

ならず者はいかにしてならず者になるのかどんな世の中にも、いつの時代にも、「ならず者」という人々がいる。所謂「社会一般」とそりが合わず、碌に働きもせず、世俗から敬遠されている人々だ。社会一般側の人間たちは、(ある意味「大多数」という数の暴力…

【感想】家屋八景(筒井康隆)〜心象を表現する装置としての七瀬

プチSF×シニカル家族小説筒井康隆作品にあまり触れたことがなかった。アニメから入った「時をかける少女」、なんか話題の「旅のラゴス」、最新作の「モナドの領域」くらいだった。前情報というか、僕が元々持っていた筒井康隆のイメージは、シニカルなSF作家…

【感想】羽田圭介 コンテクスト・オブ・ザ・デッド

「群像」2月号から連載が始まった、羽田圭介のコンテクスト・オブ・ザ・デッド。羽田圭介と言えば、スクラップ・アンド・ビルドで芥川賞を受賞したが、ピース又吉のせいでイマイチ影が薄い…というわけでもなく、結構テレビやらなんやらに出ている。まあ顔も…