あの青い作業着を脱ぎ捨てて。

アニメ・漫画・小説・ゲーム等のフィクション作品の感想をゆるく綴ります。

GWにだらだら語りたい作品3選【コミック編】

第二弾はコミック編。

完結作のみを対象。
超王道に触れられていない以下略。
 
(1)『ARIA天野こずえ 

bonsai-shiori.hatenablog.com

 このブログの初っ端に記事にしたことからも分かる通り、やはり外せない。

 ここに入って戻ってこなくてよい世界ランキング第一位。キャラの成長もそれ故の別離も涙なしでは読めない。
完全版も素晴らしい。紙質の向上・大判化・カラー…どれをとっても最高である。
完全版は全7巻。6巻までの表紙は3人娘×2で確定としてラストが気になる。全員集合かアイちゃんか…。
 
 
 イエスタデイをうたって 11 (ヤングジャンプコミックス)


冬目景が描く絶妙にぬるっとした退廃感が本当に好きで、数少ない「作家買い」をしている漫画家でもある。
この作品は、モラトリアムに浸った人間たちのままならないびみょーな人間関係を描いている、恋愛色が強いものだ。(一応モラトリアムからの脱却も描かれている、主人公がせいしゃいんになったり…)
はっきり言って、ストーリーはアレである。登場人物は皆理由もなくウジウジしているし、漸く主人公と想い人結ばれたと思ったら過去に縛られたり他の娘に後ろ髪を引かれたり…と散々である。
この漫画はストーリーを楽しむものではない。雰囲気だ。濃い目の鉛筆で描かれたキャラクターや背景を、まるで変化のない世界に漂う空気感を、ひたすらミニマムな場所で繰り広げられるまどろっこしい人間模様を堪能するものだ。
 
ちなみに正ヒロインの野中ハルちゃんは、全ての二次元的作品に登場するキャラクターの中で1番好き。見た目もサイコーなのだが、出会った当初は天真爛漫活発不思議系な側面と恋に悩んで弱気になる乙女な側面…とか説明してもしきれない、無性に魅力を感じてやまない最高のヒロインですぞ。
 
(3)『ぼくらのよあけ』今井哲也 
小学生の一夏の思い出的雰囲気(ぼくなつみたいな感じ)の中に、人工知能やら宇宙船やらのSF要素を持ち込んで云々する話。詳細なあらすじ等は例のごとくwikiを。

近未来感と郷愁を同時に感じさせる世界観も見事だが、2巻の中に諸々の要素を詰め込み、消化しきったストーリーも見事。
親子二代に渡って宇宙船を送還するためにあれこれするという王道ジュブナイルストーリー、いじめや姉弟間の距離感という子供特有のデリケートな問題、またストーリーを阻害しない程度の程よいSF的ガジェットの作り込み、そして人工知能との出会いと別れ…全ての要素がしっかり絡み合って、全2巻に凝縮されている。絵的にも空白の使い方もうまく、「はっ」とさせられるシーンも多い。傑作である。新海誠さんあたりで映画化してほしい…。
 
以上、3つの作品を選んでみた。やっぱり漫画で1番重視するのは雰囲気だなあと。