あの青い作業着を脱ぎ捨てて。

アニメ・漫画・小説・ゲーム等のフィクション作品の感想をゆるく綴ります。

『傑作のジョーク』バズマザーズ(Album『普通中毒』)

聴いていると涙が出てくる。

LYRICS | バズマザーズ -Official Web-Site –
歌詞はここで見れる。
PVも。

バンドマンみたいな因果な商売をやってますと、普通への憧憬みたいなもんは尽きません。あまつさえ30代ですしね。

山田亮一が『普通中毒』リリースに際して受けたインタビューの中で、この様に話していた。この気持ちがストレートに現れているのが、この『傑作のジョーク』。お得意のゴリゴリのギターロックではなく、「弾き語りで気持ちよく歌える」ような曲。確かに、最近はこういう曲が増えてきた。「バズマザーズかくあるべき」という固執が良い意味で取れた感じがある。

ぐるぐる回転木馬が廻っている
酔っ払いや、くたびれたあいつを乗せて
それに向かい笑顔で手を振っている自分は赤の他人みたいで、なんとなく寂しい

ぐるぐる回転木馬が廻っている
ロクデナシや傷付いたあの娘を乗せて
今更もうその行列に並べない僕は老いて枯れた様で、たまらなく侘しい

ぐるぐる回転木馬が廻っている
偏見や不条理や忍耐を乗せて
絵空事みたいに歌える自分は何だろう
そのチケットを棄てる度胸もないくせに

嗚呼、回転木馬が廻っている
ありがとうもさよならも届かない場所で
衣食住性眠喜怒哀楽のキラキラが「ここにいるよ」の合図みたいに見えた

「衣食住性眠喜怒哀楽」という普通の生活に「キラキラ」を感じている!酔っ払いやくたびれたアイツ、ロクデナシや傷付いたあの娘と同じ土俵に立てず、それに寂しさ・侘しさを感じつつ、絵空事みたいに歌える舞台に立つチケットは捨てられない。この山田亮一の切実さを聴いていると、涙が出てくるよほんと。

【感想】『めしにしましょう』小林銅蟲

いわゆる「グルメ漫画」というフォーマットがここ最近増えてきている。本作も題名だけで判断するならそこに連なる作品と思えるが、その実は随分と異なっている。「(美)女が美味しそうな料理を美味しそうに食べる」という形式からの逸脱が見て取れる。

漫画家の广大脳子の仕事場で、チーフアシスタント青梅川おめがが破壊的な調理を繰り広げる。破壊的、と書いたが例えば人の家の風呂を使用して牛肉丸ごと低音調理を施してローストビーフを作る、スッポンを家庭の台所で捌く、和田浦のクジラ解体を見学した後4キロ購入してクジラ料理を作りまくる、など枚挙に暇がない。

この破壊的で長回しの調理こそ、他のグルメ漫画とは一線を画す要因である。グルメ漫画の大半が食べるシーンやリアクションに多くのページを割いている中、本作では食べるシーンは多くて2ページ。大部分を調理の試行錯誤を描く事に費やしているのだ。

また「めし」という表現も良い。彼女たちは漫画家で、イメージ通り〆切に追われ、毎回修羅場に陥っている。その修羅場を乗り切るために、あるいは逃避するために、腹を満たす。お高くとまったグルメではなく、また近頃流行りのB級料理を美少女が食べるギャップを狙った食事でもない。

手っ取り早く心を満たす食事に必要なのは「欲望のレシピ」
「欲望のレシピ」が我々のMPを回復するんです

潔い。まさに「めし」って感じ。

調理パートはもちろん、漫画家としての修羅場パートや日常(?)会話のキレも良い。

なんていうのかな チョコレートってチョコレートの味が支配的じゃない それが困る
バレンタインで他人と差をつけたいのに最終成果物の味は必ずチョコの味がするっておかしくない?絶対おかしい
となると可能性は2つ
・チョコなのにチョコの味がしない
・チョコではないのにチョコの味がする

という暴論を展開した後、流れるように豚の角煮クレープを作り出す。こういう、無駄に回りくどくて勢いがあるような言語感覚が個人的には凄く好きで、そういう台詞の宝庫でもあるので非常に嬉しい。

一応各料理のレシピ、というかフローチャートが付いているのだが、「分量は宿題とします」「やってやれないことはない」という但し書きが記されていて、分量の記載はない。青梅川おめがのように、欲望と勢いに身を任せつつも試行錯誤しながら分量を見極めていくのが、まさにめしを作ることの醍醐味なのだろう。

【感想】『雑草たちよ大志を抱け』池辺葵

雑草魂という言葉がある。
舗装されたエリート街道を歩いてきた者には手に入れられない、辛酸をなめ続けて、それでも強くあらんとした者たちにのみ備わっている不屈の心。池辺葵という漫画家は、「女子」という独特の階層社会のなかで雑草魂を培ってきた女子たちに焦点を当てた作品が多い。

本作は、そのままずばり『雑草たちよ大志を抱け』。学校というこれまた独特かつ普遍的なカースト制度のなかで、決して「上」の方はない、煌びやかな青春とは程遠い存在である女子たちを描いた群像劇である。

ここで描かれる女子高生たちは、各々コンプレックスや何かに対する負い目を持っていて、それに自覚的である場合が殆どだ。けれども彼女たちは煌びやかな青春及び人生への努力を放棄しない。腐らない。愛すること、愛されることを希求して、日々の学生生活を送っている。「下」に生きる人々を描きながら、決してそれの悲観的な部分を極大して取り上げない。「下」には「下」のやり方があって、(「上」の人間からみたら些細で取るに足らないものかもしれないが)本人たちには一大事で真剣なのである。その目標に向かって地道に前進していく姿はやはり美しいし、私はそれを尊いと思う。

そしてその様な人たちが発する台詞がまた良い。

そんなの気のせいだし私なんかって思うけど でもそれでもちょっとでもましに見えたいなーって
くさったりしないでかわいく見えるようにせいいっぱい努力してみようって思ったんだー

この健気さ、前向きさたるや。

もちろんそういう生き方をする彼女たちにも、しんどさは到来する。挫けそうになる時もある。けれどもそんな時は、誰かの何気ない一言や行動によって励まされるのだ。

思えば『プリンセスメゾン』も、居酒屋チェーンの社員という、いわば「低賃金」のイメージがある(実際作中でもそういう扱い)職についた沼越幸が、自分にできる現実的な範疇を自覚した上で、持ち家取得を目指していく物語である。自分の立ち位置を自覚しつつも、希望を捨てず、出来るところから地道にコツコツと行動を起こし、貯蓄や物件探しに静を出す幸の姿も、雑草魂を持って目標を成就させるという点では本作に共通している。

表舞台に立つことのない、煌びやかでない人間たちの希望を感じられ、とても元気付けられる作品だった。

【雑記】今週のこと(2/12〜2/18)

日曜日。出勤。いつもの職場ではなく、年2回しか行かない場所。物凄く辺鄙で、自分の生活圏と微塵も被らないので楽しい。道中のブックオフで、近藤聡乃の『いつものはなし』を発見。即購入。装丁が良い。生活圏の中心である中野のまんだらけに無く、Amazonマケプレで定価を超えるような価格がついている作品が、場末(失礼)のブックオフで460円。こういう出会いがあるからブックオフも捨てたものではない。

いつものはなし

いつものはなし


通勤時間にチマチマ読み進めてきた長嶋有『夕子ちゃんの近道』を読み終える。長嶋有の日常描写や会話のセンスは何なのだろう。「良い…」としか出てこない私の語彙の無さと洞察力とは対照的。

長嶋有に関してはもやは形式というか小説が纏う雰囲気、流れる空気自体が好きな感があるので、何を読んでも無条件で好みと合致する部分が確実に存在する気がする。あんまり読んだことないけれど。漫画で言えば(私にとってだが)冬目景に近い。どんだけモラトリアムへの憧憬を引き摺っているのかが知れるチョイス。これからしばらくは長嶋有週間。

月曜日。前日に引き続き辺鄙な職場。涼宮ハルヒは野球観戦によって人間の多さに絶望したが、私は(昨日今日と訪れているような)何処にでもある少し寂れた地方商店街にそれを感じる。こんなマイナーな駅(失礼)でもそれなりに賑わっている光景を見ると、それぞれの何気ない生活が思い起こされ、それが日本全国で営まれていると想像すると、何だか途方も無い気分に襲われる。
モラトリアムを引き摺ってしょうがない同期と飲み、理想の不労所得という絵空事を各々夢想する。翌日も出勤という現実は不動。

火曜日。金曜日の夜みたいな月曜日を過ごしてしまったので、心身ともに疲れ果てた状態で労働。
長嶋有『泣かない女はいない』を読む。物流施設に勤めている身としては感じるものがある。

泣かない女はいない (河出文庫)

泣かない女はいない (河出文庫)

カルテット5話。第1章完。4人の路上演奏のシーンは良いなぁ。1話のすずめちゃんとの対比。この幸せな演奏が、第1章でのドーナツホールカルテットの到達点なのだろう。本音を隠した状態での、心の繋がりは手に入れた感じ。クラッシャー有朱はあらゆる意味でクラッシャー。本音を隠して絶妙なバランスで成り立っていたカルテットを、正論めいたものを吐いて壊して行く。巻の夫も遂に出てきて、第2章へ向けた助走も完了したのでは。来週からも楽しみ。

水曜日。来月の自分、なんていう自分が一番信用していないモノの力を借り、本・漫画を大量購入。いつ読むのか?いずれ。
それ町』最終巻を読む。素晴らしい傑作。一番好きな漫画かもしれない。この手の日常モノは、終わった時の喪失感が常だが、『それ町』は特に凄かった。エピローグ、二十歳で小説の賞を受賞した歩鳥がちゃんとシーサイドに入り浸っているようで嬉しい。変わるものと変わらないものがあって、どっちも尊い。日常とミステリSFの塩梅が絶妙でした。同時発売の『廻覧板』も充実。解説読みながら時系列に読み直したい。

木曜日。心を滅して業務に没頭。セブンイレブンの惣菜パンに嵌る。ハムカツという食べ物が堪らなく好きなのだが、普通のコッペパンにハムカツとからしマヨネーズを挟んだパンを発見した瞬間に購入。ハーモニーもへったくれもなく、雑に美味い。職場共用のミルクキャラメルを食べ尽くして恐縮。森永、ハイチュウといいキャラメルといい、ホント凄い。

金曜日。ノー残業デーが霧散。21:00過ぎに退社。帰りがけに都心のスーパー銭湯へ行く。池辺葵『雑草たちよ大志を抱け』を読む。煌びやかではない女子たちが、学校生活を送る話。煌びやかではないという劣等感はあるが、それを極大化せず等身大のものとして抱えているJKを切り取っている。

最近、FEELの漫画が面白い。恐らく前から変わらぬ面白さなのだろうが、私の趣味が変わったのだろう。

土曜日。炊事洗濯掃除を済ませ、自宅のテレビでゼロックススーパーカップを見る。レオシルバ無双。今年も鹿島は強い。この日の西川や昨年の東口の出来を見る限り、いよいよ我らがレイソル中村航輔A代表に呼ばれる日も近いのでは、と思える。来週の開幕が楽しみ。
歯医者へ行く。大きな口が開けられなくてホント申し訳ない。ここ最近継続している心折イベント。
長嶋有『三の隣は五号室』を読み始める。

三の隣は五号室

三の隣は五号室

面白過ぎる!一つの集合住宅で、色々な部屋に暮らす人々をオムニバス形式でピックアップする話というのは割とあるが(最近だとサザンウインドウ・サザンドアとかが良かった)、同じ部屋の歴代住人を三人称時点で時間軸を自由に行き来して描いているのは珍しい。単純にそれぞれの生活を描くだけに留まらず、前の住人が残したもの(勝手に付け替えた蛇口のレバーとか)を呼び水にして、様々な住人の日常的思考が広がって行く。長嶋有の誰にでも擬態できる感じが満遍なく活かされている。

何となく仕事に圧殺されている気がした1週間だったけど、意外と漫画とか小説とかを読めているからまだ大丈夫な気がする。

【感想】『夕子ちゃんの近道』長嶋有

夕子ちゃんの近道 (講談社文庫)

夕子ちゃんの近道 (講談社文庫)

人生の止まり木のような一瞬。

アンティーク店・「フラココ屋」で居候兼アルバイトをしている「僕」を通して語られる、周囲のちょっとユニークな、けれどもありふれているような人々との日常を描いた連作短編集。

一人称で書かれた作品は、概して自分語り多めで内省的なものが多いが、本作は少し趣きが異なっている。語り手「僕」の素性・過去・名前は最後までわからない。30歳くらいで、多少の貯金はあって、何か挫折した過去があるっぽい、せいぜいその程度のことしか匂わせない。「僕」が語るのは、「僕」が見た周囲の人々や出来事ばかり。この透明な語り手に徹している「僕」というのが、淡々した、どこか暖かくも寂しい感じがする彼らの日常描写を成立させている。

言ってしまえば、モラトリアムの延長を生きているような人々の生活描写が続くだけの物凄く平坦な作品である。が、その日常が、そしてそこに生きる人々がたまらなく愛おしい。「フラココ屋」というアンティーク店を緩い結束点とした彼ら彼女らの関係性は、偶然の産物である。物語的な必然なんてない。けれども日常ってそういうものだなぁとしみじみ感じ入る。

どのキャラクターも愛おしいのだが、個人的には話もキャラも朝子さんが好き。美大生で、卒業制作にいそしむ朝子さん。鋸で木材を切り刻む彼女の姿。基本的に緩い人々が多い本作のなかで、どちらかといえば鋭い印象を受ける女性(冷たい、ということではない)。「僕」は彼女を「年下だけど、さん付けしたくなる女性」と評している。年齢に関わらず、さん付けしたくなる女性って現実にもいるよなぁ、朝子さんはまさにさん付けしたくなる女性だよなぁ、としみじみ感じる。著者のこの観察眼というか、人間の捉え方に感心しきりである。

朝子さんに焦点を当てた短編「朝子さんの箱」のなかでの台詞。

「何かにみえてしまうってことは、この展示は失敗なんだ」

これは、本作の特徴である「さりげなさ」「何気なさ」とはちょっとずれた、いわば「狙った」台詞っぽいけど、本作及び長嶋有作品全般に通低している思想な気がする。意味づけの放棄。人生の出来事やそれに起因する人の気持ちなんてものの殆どに、大層な意味も一貫性もない。その事を自覚している物語というのは少なく、(意識的であれ無意識的であれ)意味のある描写、「何かにみえる」シーンを重ねている。一方で長嶋有は、この一貫性のない偶然をそのまま切り取ってみせる。
一応物語的な「事件」としては、定時制高校に通う夕子ちゃんが担任の子供を妊娠してしまうということが起きるが、それすらも特記することなく、日常の一つとして、他の出来事と並列して同列で扱う。物語の終焉に向けた決定的な事件にはならない。こういう状況下でも、人は相撲を見に行くものなのだ。

【雑記】今週のこと(2/5〜2/11)

職場で、色んな事情で人が減って、それでも業務は減らないので、一人当たりの作業が増える。それは仕方ない、せめて出来る限り外へ出ない、内々で済ませられる作業よ回ってこい、という切実な祈りは届かず。3月以降は外出の機会が増えるとのこと。とにかくスーツというのが苦手で、似合わない上に破れ汚れやマナーに気を付けなければならない、迂闊な私とはまるで相性が悪い服なのである。あぁ、終焉を迎えるalways私服の内勤ライフ。これを機に人並み程度に口を開いて顎の筋肉を発達させ、顎関節症チックな痛みから解放されることを目標に掲げよう。

日曜日。掃除炊事洗濯を終わらせ、Liar-softの『フェアリーテイルレクイエム』を始める。自分を御伽噺の主人公だと思い込む「御伽噺症候群《フェアリーテイルシンドローム》」に罹患した少女たちと記憶喪失の少年が、治療施設で何やかんやする話。アリスとかヘンゼルとグレーテルとか。そういう御伽噺をモチーフにした話と幻想的で色彩豊かな絵面、BGMが物凄い合っていて良い。
録画していた『住住』『銀と金』『ポケモンサンムーン』も視聴。『住住』、面白い。この日は二話を見る。二階堂ふみ扮する二階堂ふみバカリズム扮する升野英知が下の名前で呼ぼうと奮闘する話。こう書くと何か甘酸っぱい青春の香りがするけど、勿論そんなことはない。中年なのにこの自意識が様になるバカリズム二階堂ふみの可愛さも十全だし若林役の若林も良い。

月曜日。適当に買ったフレークが糖類0的なやつで、甘くなくて凹む。1週間の出鼻を挫かれる。通勤時間に本谷有希子の『ぬるい毒』を読み始める。

ぬるい毒 (新潮文庫)

ぬるい毒 (新潮文庫)

騙しているのか騙されているのか、本当に好きなのか陥れたいだけなのか。この絶妙な不安感を語り手・由理を通して語っていく。タイトルが良い。壊されきれない、致死量に満たない、けれども確実に心を蝕んでいく向井の悪意。鬼になりきれない由理のぬるさ。その辺を引っくるめて、纏めて「ぬるい毒」。相変わらずのプチ性悪説を感じさせる本谷有希子でした。
『フェアレク』アリスルート完了。ノーマルとバッドの分岐は一つの選択肢で決まる。ノーマルは御伽噺症候群に没入、バッドは脱却を促す選択肢。まだ現実逃避から目覚めるべきではないということか。

火曜日。『カルテット』4話。高橋一生扮する家森編。家森の過去が明かされる。バツイチ子持ちだったことが判明。相変わらず台詞がキレている。個人的なハイライトはこれ。

茶馬子は俺のこと知ってるからねぇ

家森が元妻・茶馬子に会いにいく際、恋人役としてすずめを引き連れていく。すずめは家森に「巻さんじゃダメなんですか」と問う。その返答が上の引用。何だこのさりげない告白。
その他、家森が家族を見送るシーンの涙、別府の甘栗剥き⇨手握り等、名演多し。
そして主題歌『おとなの掟』をダウンロード。改めて歌詞を読む。

白黒つけるには相応しい
滅びの呪文だけれど

言葉の鎧も呪いも一切合財
脱いで剥いでもう一度
僕らが出会えたら

白黒つけるのは恐ろしい

自由を手にした僕らはグレー

縛られるような面倒な過去がある4人が、本音を隠して出会ってから始まるこの恋愛物語に相応しい楽曲。松たか子満島ひかりも良い歌声。

水曜日。通勤時間に『おにぎりスタッバー』を読み始める。

明らかに舞城に影響を受けた感じの文体。人食いとか魔法少女とかそういう非リアルな要素を出しつつ、その辺の要素は余り突き詰めずに、というか「そんなのは青春の一コマの味付けしかない」というノリで青春やる感じは、最果タヒの『渦森今日子は宇宙に期待しない。』っぽい。
渦森今日子は宇宙に期待しない。 (新潮文庫nex)

渦森今日子は宇宙に期待しない。 (新潮文庫nex)

その辺のバランス感覚は今一歩だったけど、物凄く好みなタイプのラノベでした。続編ぽいものが出るようなので楽しみ。

木曜日。仕事が辛かった。岸政彦の『ビニール傘』を読み終える。本業は社会学者である著者らしく、人の等身大で侘びしくやるせない生活をそのまま切り取って小説の形に纏めたような作品。

金曜日。今週の日曜日が闇の出勤なので振休。人生で初めてOB訪問を受ける。自分は一切そういう訪問をしなかったので段取りが分からず困惑。何とか乗り切る。
野田彩子の『潜熱』を購入して読む。

潜熱 1 (ビッグコミックス)

潜熱 1 (ビッグコミックス)

内気な女子大生と中年ヤクザの恋愛話。優しい人々に囲まれて生きてきた瑠璃がヤクザの逆瀬川に惹かれるのは、自分の知らない世界への憧れだろうか(そもそも最初のフックがこれ)。「潜熱」とは物質の相が変わる熱量。瑠璃の、逆瀬川の恋っぽい何かが愛に変わるほどの熱はどの様にして訪れるのか(訪れないのか)、先が楽しみな作品。
『フェアレク』グレーテルルート完了。バッドは救いなし。が、ノーマルの方が恐ろしい。聖書「ヘンゼルとグレーテル」を失ったが、記憶喪失の主人公を巻き込んで「青い鳥」へと逃避先の宿り主を変える。このままずーっと2人で「青い鳥」のお話の中で暮らすのだろう。

土曜日。ちばぎんカップで我らが柏レイソルが勝利を収めた模様。個性が強い鬼畜な前線が噛み合うか、層が薄い後ろの控えがどうなるか。今年はここ次第。今日のフォーメーションを見る限り、不安視されていたゲームメイカータイプのボランチはそもそも置かないのかもしれない。
ポケモンサンムーン』を見る。リーリエ回。ロコンが生まれ、リーリエが親に。どっかのフレンズも良いけど、アニポケも良いものだ。
そしてようやくレートに潜り始める。20戦やって14-6という微妙な戦績。ブルンドラミドロ軸。ドラミドロの適応力Z流星の火力は病みつきになる。トリル下のドラミドロは今結構刺さっている感じがする。めざ炎レヒレの厳選を始めるが挫折。同僚に貸しているサブロムの返却を待ち、マスボでやります。

今週は全然漫画を読めなかった。来週は『それ町』最終巻及びガイドブックが希望。特にガイドブックは、未発表のお話に加えて時系列整理もあるらしい。

あとは『ダンジョン飯』も楽しみ。それと並行して『フェアレク』を進める1週間となることでしょう。